【鳩子の京都案内】京都国立博物館で「佐竹本 三十六歌仙絵と王朝の美」展を見てきたよ
はぴねす老人めざす石清水鳩子です。
ハゲも治らないまま不安が続く鳩子ですが、芸術の秋だしタダのチケットをいただいたので京都国立博物館で開催されている「佐竹本 三十六歌仙絵と王朝の美」展へ行ってきました。
鳩子大好き京阪電車に乗って「七条」駅で降り、てくてく10分ほど歩いたところにあります。
「佐竹本 三十六歌仙絵」って、何???
日本伝統文化ってのは根底に和歌の知識がなくちゃポカーンなことが多いものです。
それまで中国や大陸からもたらされた文化が、平安時代中期に日本ぽさとか、らしさが加わって「和様」となって今に伝わる文化様式が確立されました。
日本文化を学ぶと、根底にバイブルのように「三十六歌仙のなになに」てのがはびこっているのを感じます。
当時の知識人の最大インテリぶりを発揮するのが「和歌」で、その中でも和歌を詠むのが上手い!て言われた、いわゆる「殿堂入り」しているのがこの36人。
この36人の和歌と姿絵をモチーフに、繰り返し「三十六歌仙図」てのが描かれてきました。その中でも鎌倉時代に書かれたこの「佐竹本三十六歌仙人絵巻」は名品として珍重されてきました。
なんかね、お顔の表情ひとつひとつが和歌や歌人によりそい、情景を表しているのですて。素人にはようわかりませんが。
「流転100年」て言われるドラマチックな背景とは??
そうこうして世に名高い「佐竹本三十六歌仙人絵巻」は旧秋田藩主、佐竹侯爵家が所有していたものだけど、没落しちゃって大正時代に実業家・山本唯三郎(茶人)に渡ります。茶人には垂涎の代物だったんですと。
茶人にとっては特に「柿本人麻呂」ってのが絶対的な神で、この人の肖像画を掛け軸にして茶会するとかがイケてる茶会だったようです。
けどもこの山本さんも没落してこの絵巻を売りに出しました。
当時40億くらいの価値になっている絵巻2本セットの「佐竹本三十六歌仙人絵巻」は高額ゆえに買い手がつかず、あわや海外流出か?!と危ぶまれていたところ、
当時の財界のドンでもあり茶人でもある増田鈍翁(三井物産創始者)が金持ちに声をかけて
「一人で買うには高すぎて無理だけど、こんなお宝をみすみす海外に流出するわけにはいかない。わけわけしてみんなで買おうよ!どれが当たるかは抽選だよ」
ってことで絵巻2本セットをバラバラにしてお金持ちネットワークで購入しました。
当時は、こんな文化財をバラバラにするなんてなんつーやらかし!!と増田鈍翁に厳しい風評もあったようですが、今では貴重な文化財が海外に流出することなく多くの人が鑑賞できるようになったよねーという側面もあるようです。
そのようにバラバラにされた絵巻のひとつひとつが一堂に会するのが100年ぶり!と盛り上がっている模様です。(中には見つかっていないものあり、全部集結はしていません)
ボランティアによる説明、ワークショップもあるよ
かな文字の美しさ、余白の美のバランスが美しい洗練されたデザインなど、当時の美意識が現在まで通じるのはやはり圧巻でした。
ボランティアのおば様方によるワークショップも開催されており、説明を聞きながら「くじで引いた歌仙の顔を書いて塗り絵する」という謎のワークショップも参加して歌仙のこころを感じてきました。
京都国立博物館と言えば建築も魅力
さて、この京都国立博物館の展示がある「平成知新館」は、NY近代美術館の新館を設計したことでも世界的に有名な建築家「谷口吉生」によるものです。
モダンで静寂を感じる 美しい建築物です。
先日金沢に訪れた際に、そのすばらしい建築物に触れて感銘をうけました。 www.iwasimizuhatoko.com
博物館内に併設されている「前田珈琲」は、谷口吉生による真新しい「平成知新館」と、旧本館「明治古都館」を見渡しながら優雅にお茶やランチができるグッドロケーションないい場所です。(空いていれば)
人気のナポリタンとモンブランと英国風ミルクティーのセットで一息ついてきました。
赤いカップもかわいいね!
台風の影響で関東や東北の被害が大きく日本の心配事もいっぱいですが
深まりつつある秋を堪能してきました。
こういった日常の小さな幸せが鳩子の生きる喜びだなってつくづく思います。